X線血管造影装置は、普通のX線撮影では確認が難しい血管を造影剤という薬を用いて、血管の形態や流れ方などを確認することができます。
当院では、心臓の血管(冠動脈)の検査・治療が多く行われています。動脈硬化で狭くなった血管にカテーテルという細い管を通し、風船を膨らませたり、ステントという金属の筒をいれたりすることによって血行障害を改善します。
また、四肢の血管の撮影やペースメーカーの埋め込みについてもこの装置を用いて行っています。
※下の写真は、右冠動脈の治療前後の画像です。
放射線部門の紹介
Radiology Department
放射線部門の業務内容
当院の放射線部門には、一般撮影装置、X線CT(コンピューター断層装置)装置、MRI(磁気共鳴イメージング)診断装置、X線血管造影装置、X線TV装置などがあり、これらを用いて各種診療科へ画像提供を行っています。スタッフは診療放射線技師7名と助手1名です。 主な検査内容と装置の紹介をいたします。
放射線部門の装置
放射線部門では、X線CTなどの最新機器を導入しております。
X線血管造影装置
X線CT装置
当院のX線CT装置は64列MDCT(マルチディテクターCT)と呼ばれ、ディテクター(検出器)が64列に配列され、広い範囲を短時間に撮影することが出来ます。通常の胸腹部の撮影に加え、血管を流れる造影剤を追いかけながら撮影を行う大動脈撮影や上下肢の血管撮影なども行えます。 また、心電図を同期させながら、造影剤を用いて高速で撮影することで、心臓が静止しているかのように撮影することができ、この撮影より冠動脈を画像化することができます。 X線CT装置で撮影した画像を用いて、下記の画像例のような心臓や血管の3D画像を作成することも私たちの仕事の一つとなっています。
当院の装置は、東芝製Aquilion64です。
※当院のX線CT装置で撮像した画像例です。
MRI装置
MRI装置は装置本体が大きな磁石で作られています。この磁石の出す磁力と電波の作用を利用して、人体から出る微弱な信号をコンピューターで処理して、身体の内部を画像化する事ができます。磁場を用いる為、体内に金属の医療機器などが埋め込まれた方は、検査が行えない場合もありますが、今までの装置では得ることができなかった体内情報を画像化することが可能です。
当院の装置は、フィリップス社製 Intera1.5Tです。
以下に、この装置特有の検査内容と検査を受ける上での注意事項を紹介します。
- 造影剤に過敏な方も造影剤を使わず血管の狭窄、動脈瘤などの血流の悪い部分の撮影が行えます。
- 心筋梗塞などの、心筋の虚血による機能障害の範囲を安全に知ることができます。
- 急性期の脳塞栓症、あるいは腫瘍、脊髄の疾患を短時間で痛みを伴わず診断することができます。
- MRIは放射線を用いていませんので、放射線の被曝がないという事も大きな特徴といえます。
MRI検査室は常に磁場が発生しています。磁石に引き付けられたり、画像に影響するものについては、検査前に検査スタッフがチェックし、あらかじめ取り外して頂きます。検査部位の近くにファスナーや金属ボタンなどがある場合には、検査着に着替えて頂くこともあります。
また、その他体内金属を有している方はMRI検査を受けることができない場合がありますので、事前に検査スタッフにお知らせください。
当院のMRI装置で撮像した画像例です。
外来・入院のご案内
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