麻酔科
Anesthesiology
麻酔科は、患者様と接する場所が手術室およびICU(集中治療室)となるので意識のしっかりしている患者様と直接接する機会が少ないため、麻酔科医はいったいどのような仕事をしているのか、不思議に思う方もいるかもしれません。皆さまには馴染みが少ないと思いますので、当病院麻酔科の紹介および麻酔科医が普段どのような事をしているのかを簡単にご紹介いたします。
- 当病院の麻酔科は、国立療養所帯広病院と国立十勝療養所が合併して国立病院機構帯広病院になる前年の平成15年7月から常勤医として仕事を始めました。
- 当初は、ICUもなくいろんな機器の設備や人員も不十分でしたが、徐々に改善され、現在では大学や大病院で行われる治療のほとんどが当病院でも行われるようになりました。逆に、当病院に所属している医師の技量を考えるとそれ以上の治療が出来ると自負しております。
- 産婦人科や小児科をはじめとする医師不足が現在問題になっているなか、麻酔科医も同様に不足しており大病院でも麻酔科医不足のために手術を制限している状況にもあります。この様な中、幸いにも当科は、循環器疾患や呼吸器疾患に対する当院の優れた治療に対して一緒に治療を行うとともに、当病院の麻酔科研修を希望する研修医を迎え、現在3名の麻酔科常勤医で日々の診療に携わっています。 麻酔科医の日常の仕事を大きく分けますと、手術やいろいろな手技を行うときに患者様に麻酔をかけることと、ICUで業務を行うことであります。
- 当病院で行っている手術は心臓手術と肺手術がメインですが、心臓手術では人工心肺装置を用いて心臓を一時停止させたり再び動かしたり、肺手術は手術する方の肺で換気を行わずに片一方の肺だけで換気を行わせるなど、麻酔の中でも非常に特殊な技術が要求される麻酔を行っています。
- また、当病院に勤務してこられた麻酔科の先生方は非常に優秀で、当院から移動された医師全員が現在「日本周術期経食道エコーの認定医」です。この資格は2008年現在全国でも375人の麻酔科医のみが有している資格であり、また当病院で受験をされた先生は合格率が50%以下にもかかわらず全員が一度で合格しています。このことからも当病院の麻酔科が全国的に有名な心臓外科や他科に負けず劣らず、やる気のある若い先生方に勤務していただいていると思っております。また、精神科における治療やカテーテル治療においても全身麻酔が必要な場合には麻酔を行っています。 もう一方のICUの業務については、心臓手術後や心不全の患者様が多いこともあり、心臓血管外科や循環器内科をはじめとする先生方と一緒に連携をとりながら治療を行っています。ICUで患者様の治療を行う場合、主治医と連携をとることが難しい病院もありますが、当病院ではそれぞれの科の先生の協力により、うまくバランスの取れた治療を行うことができると考えています。
- また、当病院は胸部疾患をメインとしており全科がないため三次救急としての受け入れ体制はとっていませんが、現実的には、当病院を希望される患者様や救急搬送される患者様、他の病院からの要請に応じた心筋梗塞などの胸部疾患の救急患者様にも対応しています。
- 麻酔科医からみた当病院の紹介をさせていただきましたが、今後も優秀なスタッフと連携を執り、十勝管内の胸部疾患に対する救急等の治療を含め、少しでも地域の医療に貢献したいと考えています。
- 基本的に麻酔科医は皆さんにあまりお会いする機会が多くありません。(中にはICU等で顔を覚えていただく患者さんもいるのですが・・・)今後も皆様が安心して治療を受けることができるように努力していきたいと思っていますが、この紹介を通して少しでも皆様が麻酔科に対して親近感を持っていただければ幸いです。
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